アメリカにおける「統合医療」の現状

統合医療は、近代の西洋医学の考え方をベースに、伝統医学や相補(補完)・代替医療などを患者によって組み合わせて行う医療のことで、アメリカが先進となり世界でも注目されている医療です。具体的には、一般的な医療とは少し異なる、漢方薬やサプリメント・ヨガ・自然療法などを組み合わせる医療のことであります。その有効性については、慢性疾患をはじめとする、現代の西洋医学では治療が難しい症状に対して質の高い治療効果が証明されています。そしてこの統合医療は、治療と予防の2つの方向からアプローチすることから、QOL(生活の質)の維持・向上という点でも期待されています。
統合医療が進んでいるアメリカでは、子供の10人に1人、また慢性疾患を持っている子供の約半数もがこの医療を受けているといわれています。

「統合医療」の有効性

統合医療は、西洋医学の治療では難しい症状にも有効であることはわかっていますが、そのメカニズムはまだ解明しきれていません。

統合医療が有効な具体例は、

  • 針療法による痛みの緩和
  • プロバイオティクスによる下痢の改善
  • DHAによる幼児の脳の発達
  • ADHA(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動症)の改善
  • ヨガによる注意力の改善

などが有名です。
また、喘息や過敏性腸症候群にも効果があるとされています。

統合医療を行う際の注意点

統合医療は、さまざまな疾患や症状への有効性がわかってきているものですが、統合医療における相補・代替医療を行うには注意しなければならない3つのことがあります。

  1. 統合医療を検討する前には必ず通常の西洋医学による医療を行うこと
  2. 統合医療のすべての効果が十分に証明されているものではないと理解すること
  3. 取り入れた統合医療の内容や効果の理解は十分にし、主治医に積極的に申告すること

まとめ

統合医療は、西洋医学ではまかないきれない疾患や症状の改善に有効であるケースがあり、アメリカや日本などでよく認識されるようになってきています。一方でまだまだエビデンスの蓄積は不十分で、メカニズムそのものも解明されていません。治療効果には個人差もあるため、統合医療を行う際はご自身でその方法をよく調べてご納得したうえで進めることが大事です。