世の中には、健康な食事に対する情報があふれかえっています。どの情報が正しいのか、どの情報を採用したらよいのかわからなくなります。
今回は、普段の食事で注意してほしい、シンプルな5つのTipsをまとめてみました。
食事全体を1つのプレートと仮定した場合に、何をどのくらい摂取したらいいのかを示しています。

5つのTips

①野菜と果物をできるだけ多く食べる~可能ならプレートの2分の1

②主食は全粒穀物を選ぶ~プレートの4分の1
主食は、なるべく全粒穀物を選ぶようにしてください。全粒穀物とは、精製していない全粒の小麦、大麦、雑穀、オーツ、玄米、また、それらから作られた全粒粉パスタなどの食品のことです。

③タンパク質は意識して摂る~プレートの4分の1
私たちは近年、タンパク質の摂取量が低下しています。タンパク質を、意識的に摂取するようにしてください。

④健康的な植物性油~ほどほどに
健康によい植物性油には、オリーブ油、キャノーラ油、大豆油、コーン油、ひまわり油、ピーナッツ油などがあり、油を選ぶ際はこれらを選びましょう。

⑤飲み物は水、コーヒー、お茶を摂取する
糖分入りの飲料はなるべく避けるようにしてください。また、野菜ジュースやフルーツジュースが、野菜や果物の代わりになるとは考えないでください。

このような食べ方は本当に健康にいいのか??

上記 のような理想的な食事と、死亡率や病気になる確率との関係について報告した研究があります。
7319人(平均年齢49.5歳、参加者のうち女性は30.3%)を対象とした研究では、上記のような理想的な食事を摂取した人は、しなかった人に比べ、全死亡リスクが25%も低く、心疾患による死亡リスクが42%も低かったことが分かっています。

Copyright  © 2011, Harvard University. For more information about The Healthy Eating Plate, please see The Nutrition Source, Department of Nutrition, Harvard School of Public Health,  www.thenutritionsource.org, and Harvard Health Publications, www.health.harvard.edu.

皆さまに伝えたいこと

今回、一番お伝えしたいことは、食事を摂取する際には、量よりも質に注意してほしいということです。同じカロリーでも、砂糖がたっぶり入ったパンと、豆や鶏肉がたっぷり入った野菜サラダでは、意味合いが全く異なります。
また、毎日このような理想的な食事を摂取しなくてはいけないということでもありません。食事は、栄養以外の面もとても大切です。例えば、おしゃれなレストランで楽しい時間を過ごすことは、友人とのとてもよいコミュニケーションツールでもあります。まずは、毎回の食事でできることを少しずつ実行するように心がけてください。

参考文献
1.   Akbaraly, T.N., et al., Alternative Healthy Eating Index and mortality over 18 y of follow-up: results from the Whitehall II cohort. Am J Clin Nutr, 2011. 94(1): p. 247-53.