2回目の緊急事態宣言が発出され、飲食店も夜8時までに閉店するように要請(1/30時点)がなされている現在。あらためてその意義について考察していきます。
まず、新型コロナウィルス感染症とはどういった病気であるかを改めて復習してみますと……
潜伏期:1〜12.5 日(多くは5~6日、最大14日程度)と考えられる。
症状:風邪のような症状・呼吸の苦しさ など。
感染力:1人の患者が感染させる人数は2~3人程度と考えられる。
感染経路:主に飛沫感染と接触感染と考えられる。
検査方法:医師が感染の疑いがあると判断した場合、渡航歴・患者との接触歴に関わらず咽頭スワッブの PCR検査を行う。
治療方法:対症療法が中心。
感染後の経過
80%→軽症であり、症状がほとんどないか、あっても一般の風邪程度。
15%→中等症であり、入院が必要な状態となる。
5%→重症となる。心筋炎や多臓器不全を合併し、最悪の場合は命を落とすこともある。
こういった背景を持った感染症ですが、この感染症が厄介なことは発症前(1日前後)から他人を感染させてしまう可能性が生じるということです。
アメリカの疾病管理予防センター(CDC)は
“全感染のうち59%が無症状の感染者からの感染で、35%が症状発現前の人からの感染、24%は症状が発現しないままの人からの感染だった。”と述べています。
つまり新規感染の50%以上が、無症状の感染者からの曝露によるものであると推定されているということです。
言い換えれば、一緒に外食をした人にコロナ関連の症状がなくても、安全であるとは言えないのです。その人が発症前だという可能性もあるし、感染していても無症状であるという可能性もあり、そこからあなた自身やあなたの家族が感染してしまう可能性があるということです。
よって、緊急事態宣言や、飲食店の早い時間での閉店要請は、ある程度は理にかなっています。
皆さまに伝えたいこと
何度も皆様にお伝えしていますが、この恐ろしい感染症に対抗するには1人1人がマスク・手洗いなどの感染防御を行うことに加え、ご自身の免疫力を高めることが欠かせません。
1日30分の日光浴・適切な睡眠時間など、生活習慣を意識して、感染症に負けない1年を過ごしてください。
JAMA network open. 2021 01 04;4(1);e2035057.